ココ
そんな時は、改めて自分の考えを整理したり、メリット・デメリットについて整理することで決断できるでしょう。
なぜなら、私も悩みに悩んで、最終的には12年間務めた役所を辞めて民間企業に転職することができたからです。
「公務員を辞めるのはもったいないかも..」と悩んで決断ができない人に向けて、
公務員として12年間働いて民間企業に転職した私が、公務員を辞めることのメリット・デメリットをお伝えします。
辞めるべきか、続けるべきかの判断材料にしていただけたら幸いです!
目次
公務員を辞めるのはもったいない?
一生公務員続けることの方がもったいない
公務員を辞めるのはもったいないとは私は思いません。逆に、続けることの方がもったいないと思います。なぜなら、辞めることで得ることができる選択肢を潰してしまっているからです。
20代前半で自分が一生続ける仕事を決めることは多くの人にとって不可能です。もしあなたが何年か働いて、他の仕事に興味があり、挑戦してみたいと思っているならそれはとても自然なこと。ぜひその興味を大切にしていただきたいです。
転職することで、天職を見つけられるかもしれませんし、今より年収が上がるかもしれません。ダメでもまた転職すればいいと思います。特に近年では転職するのは珍しいことではなく、一生同じ企業で働き続ける方が特殊になりつつあります。
公務員辞めるのもったいないと言われる理由について
一般的に公務員を辞めるのが「もったいない」と言われる主な理由下記とおりです。
- よほどのことがない限り、懲戒免職にならない
- 何もしなくても給料が年功序列で確実に上がり、給与が高い
- 役所は潰れることがないので安心
- 福利厚生が充実している
果たしてこれらの点については民間企業と比べてどうなのか?考察してみました。
1.については、民間企業でも正社員であればよほどのことがない限り辞めさせられることはないでしょう。また、辞めさせられてしまう場合はその会社が合わない、もしくは業績が悪いので転職すべきです。
2.については、成果報酬型の会社や外資系など公務員より年収を上げられる民間企業はいくらでもあります。ただし、その分技術が必要だったり、仕事はハードになるので仕事に対するモチベーションが必要です。
3.については、そもそも潰れるような会社を選ばないようにすればいいですし、運悪く潰れてしまってもまた転職するだけです。
4.については、民間企業の方がより福利厚生が充実している場合もあります。特に私の自治体は住宅手当が少なくて、民間企業の友人の金額を聞いて驚きました。
これらを踏まえて、公務員を辞めてしまうのが「もったいない」と言われる主な理由として
「いくら成果を出さずにボーッと仕事をしていても給料が自動で上がり、辞めさせられることもない」
ということになります。
こんな後ろ向きな理由だけで何十年以上も働き続ける方が大変な気がします。
周囲から反対されたらどうすればいい?
家族や周囲の人が「もったいない」と反対するのはあくまでその人の価値観。ましてや公務員になったことがない人に辞めたい人の気持ちなど想像できないでしょう。また、あまり深く考えずにイメージで意見する人も多いです。
私は親からの猛反対を受けていたので、決心が揺らぐ瞬間が多々ありました。そんな時は、「なんで辞めたいんだっけ?」と心の中をノートに書き出して整理していました。整理すると自分でもスッキリするし、周囲へも論理的に説明ができます。ゆくゆくは面接対策にもなります。(面接でなぜ公務員を辞めたのか?を聞かれることが多いので。)
なお、説得できなかったとしても気にしないことです。家族はあなたと生きている時代や価値観が違うので、意見が合わないのは無理もありません。
それよりも転職活動に集中しましょう。何よりも転職先の内定をゲットする事が一番説得力があります。おそらく家族が反対する理由の一つに、「良い転職先が見つからなかったらこの先どうするの?」という不安があるからです。私の親も、転職先が見つかったら何も言わなくなりました。
公務員を辞めるデメリット
年収が一時的下がる
年収は下がると考えてください。公務員から公務員への転職でなければ、基本的には未経験での採用となり、今までの経験は考慮されないからです。また、公務員は年功序列の給与体型のため、転職時の年齢が高ければ高いほど転職後の年収は下がるでしょう。
社会的信用が落ちる
公務員は収入が安定していて辞めさせられることはまず無いため、ローンや家を借りる際の審査にかなり有利となります。
私も賃貸で家を借りる際に役所で働いていたおかげで人気の物件に住むことができました。オーナーが私に貸したいと選んでくれたそうです。保証会社の審査もすぐに通りました。
しかし転職しても年収を上げていけば社会的信用は上がっていきますので、長い目で見れば解決します。
休業制度について
公務員の時は育児休業はもちろん、精神的な病気が理由で長期休業を取る人が多かったです。公務員の方が体調不良などで長期の休業が取りやすいと思います。
民間企業では制度そのものはあっても、長期で休むことはキャリアを考えると難しいのではないでしょうか。
例えば、育児休業制度については最長2年間取得できますが、早く復帰しないと気まずいので早めに復帰する人が多いでしょう。そもそも保育園に入りづらくなるので早めに復帰する人が多いのも事実ですが、長く休むことを選択しやすいのは確実に公務員の方です。
休業制度の充実を優先するのであれば、公務員を辞めない方がいいでしょう。
公務員を辞めるメリット
自分のやりたい仕事ができる
民間企業に転職してエンジニアとして働きはじめて、仕事に対するモチベーションがかなり上がりました。プライベートな時間も勉強したり、勉強会に参加したり、自主的に仕事のスキルアップを心がけていました。
自分の興味のあることを仕事にすると、こんなにもやる気が出るんだ!と驚きました笑
一方で、公務員として働いていた時は仕事内容にどうしても興味が持てなかったので、仕事に対するモチベーションの維持が難しかったです。
異動先の希望は出せるものの希望が通ることはほぼなく、「次はどんな仕事になるんだろう、○○課にだけは異動しませんように!」とせめて苦手な仕事に当たらないことを祈っていました。
そして、希望通りに異動できたとしても一定の期間で異動になるので(私の職場は4年に一度でした)専門職の方を除き、役所勤めの事務職で好きな仕事を続けることは不可能です。
仕事のスキルが上がる
役所では業務手順は教えてもらえても、仕事の仕方や心構えなどは教えてもらえませんでした。そのため、民間企業に転職して、恥ずかしながら30半ばにして多くのことを学ばせてもらいました。
また、Word、Excel、PowerPoint(たまに)使う程度で、Googleのスプレッドシート、ドキュメント、カレンダーなどは使えませんでした。もちろん、Slackって何?レベルでした。
しかし、公務員を辞めて民間企業に転職したことで様々なITツールを自然と使えるようになりました。特にベンチャー企業だったため、自然とITI系の話題が多かったです。また、仕事で使うためもさらに効率化を求めて自分でも調べるようになり、ITリテラシーはかなり上がりました!
会社に依存しなくなる
会社で人間関係で大きな問題が起きたり、どうしても仕事が合わない時は、転職すればいいやと気楽に考えられるようになりました。私も以前はどんなに嫌なことがあっても我慢して続けなければと思っていました。(私は同僚に恵まれたので、そのような問題は起きませんでしたが。)同僚で仕事が合わず、うつ病になってしまう人も数多くいました。選択肢がないと人は不幸と感じると言われています。彼女、彼らには転職するという選択肢がなかったので我慢し続けて病気になってしまったかもしれません。
住む場所を選べる
民間企業に転職すれば、住みたいところの近くで仕事を探したり、在宅ワークOKの会社を選べますので、住む場所は自由に選べると言えます。
一方で、公務員は在宅ワークに向かない仕事です。役所だってリモートワークになるのでは?という意見もあるかもしれませんが、実現したとしてもかなり先になるのではないかと予想しています。
なぜなら、仕事内容が窓口業務やイベント業務などの対面業務が多いからです。
先駆的な自治体であれば可能性はあるかもしれませんが、自分の勤めている職場がそうなるとは限らないですよね。役所のリモートワーク化を待つより転職した方が実現性が高いです。
では、住みたい場所の自治体に異動すれば?と思われるかもしれません。しかし、公務員は自治体間の異動はありませんので、再度筆記試験と面接を受け直す必要があります。
東京都の特別区では区役所間での異動希望を出すことができますが、異動できるかは運に等しく、何十人もの人が何十年も異動を夢見て遠距離通勤しているのを見てきました。通勤ほど時間と労力の無駄はないと思っている派なので、そんなに待つなら、転職すればいいのに…と思ってしまいます。
私は以前から湘南エリアに住みたいという願望があったものの、私が働いていた役所からはかなり遠かったので無理だと諦めていました。しかし役所を退職後に引っ越して念願の海ライフを楽しんでいます。湘南移住についてはこちらに詳しく書いているのでよかったらご覧ください!
副業ができる
公務員は副業が禁止されています。アフィリエイトも禁止です。
地方公務員法第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
引用:地方公務員法
近年はクラウドワークスなど、在宅で気軽に挑戦したい仕事にチャレンジでき、かつ報酬ももらえるプラットフォームが整っているのに、これでは自分で稼ぐ力がなかなかつきません。在宅ワーク以外にも、例えば何か得意なことがあって、人に頼まれて仕事したとしても、報酬をもらえることができないのです。
将来的に年収が上がる(可能性がある)
公務員は年功序列の給与体系のため何も成果を上げなくても少しずつ年収は上がります。しかし、一気に年収を上げることは不可能です。
そこで、公務員を辞めて成果や能力に対してボーナスやインセンティブがある会社に転職すれば大幅に年収を上げることもできるでしょう。
デメリットとして一時的に年収は下がることが多いとお伝えしましたが、経験を積んでまた転職することで年収を上げていくこともできます。
このように、成果を出して年収を上げていきたい方は公務員より民間企業で働いた方がいいでしょう。
思考停止から脱却できる
私の個人的な見解にはなりますが、公務員の人は自分のキャリアについて思考停止してる人が多いなぁと思います。かつての自分もそうでした。仕事内容も決められたマニュアルに沿って進め、レールに乗っていれば、勝手に給料は上がるし、部署も希望は出せても勝手に決められるので、将来設計をする必要がありません(したくてもできない…)。
しかし、民間企業に転職するとなった場合、この先自分は何をしていきたいのか、どんな働き方がしたいのか、どんな人生にしていきたいのかを改めて考えなければいけません。このように、思考停止から脱却することができるため、強制的に自分で自分の人生について考えるようになります。
なお、こちらの記事で公務員から民間企業に転職する流れをまとめているので、よかったら合わせて参考にしてみてください!
まとめ
- 公務員を辞めることはもったいなくない。むしろメリットもある
- 他人の意見に惑わされそうになったら、一旦自分の考えを整理してみよう
- 12年間も働いて辞めた結果、人生の自由度が上がりました!