ココ
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30代ノースキルの私が、民間企業に転職しようと振り切った理由と、知人の具体的な経験談も含めてご紹介します。
また、転職までの流れ、転職して民間企業で働いて思ったことも全て実体験ベースでお伝えします。
この記事を読んで、転職に向けての一歩を踏み出していただけたら幸いです。
目次
私が10年以上務めた公務員を辞めた理由
私が公務員を辞めた理由は下記の通りです。
キャリアを自分で決められない
地方公務員は4年で異動があり、希望は通らずシャッフルされてしまいます。一応、希望は出せますが、人気の部署は定員も少なく、希望通りになることは稀です。
また、通ったとしても、4年で異動になってしまいます。
転勤のある仕事も大変ですが、場所は変わらなくても次にどんな仕事をやらされるのか検討がつかないのも辛いものです。
広報や観光などの部署でイベント企画して地域活性化に貢献したい!と意気込んで役所に入った方が、ずっと税金関係の窓口業務で苦情処理をし続けたのちに、福祉事務所でケースワーカーに異動となれば、やる気もだんだん失ってしまうのではないでしょうか。
やっと広報に異動した頃には50代でした、なんて悲しすぎます。しかし、若手は窓口業務への異動が多いため、よくあるケースです。
私も3度異動を経験しましたが、希望通り異動できたことは一度もありませんでした…
住む場所が限定される
公務員は基本的には接客仕事がメインなので、リモートワークの難しい仕事です。よって、住む場所が選べません。
また、自分の勤める自治体内に住むと、プライベートでお客様と会ってしまうため(役所に来る方は苦情がメインなので会いたくない。。。)、あえて少し遠めに住んでる方も多かったです。
また、引越して他の自治体で働きたい場合は、その自治体で再度試験を受けなければなりません。
民間企業は同じ職種で経験があれば転職しやすいですが、公務員の場合、一次試験で筆記試験があるため、勉強し直す必要があります。また、新卒ではないため、募集枠も少ないです。よって、それなりの覚悟と時間が必要と言えます。
私は住みたいエリアが職場から遠かったため、通勤が大嫌いでしたが長年我慢していました。また、公務員を辞めることがなければ長年の夢だった、湘南への移住も叶えることができなかったでしょう。
湘南移住についてはこちらに詳しく書いています。よかったらご覧ください!
周りと話が合わない
かなり個人的な感想になってしまいますが、心から話の合う人、プライベートも一緒にいたいと思える人があまりいませんでした。みんな基本超良い人なので、気持ちよく仕事はできていました。ただ、保守的な人が多く、話が合わなかったため、プライベートは別で友人を作って遊んでいました。唯一仲良くなった友達は、私と同じように辞めてしまった子が多いです。
スキルが身に付かない
決裁に時間がかかり仕事が進まない、紙ベースが多くて単純作業に時間を取られる、意味のない会議に夜遅くまで参加したり…
「これって税金かける意味ある?」と思う仕事が多々ありました。改善できたこともありますが、外部が絡んでいると難しかったです。
しかも、悲しいことにそれを一生懸命やったところで、何もスキルは上がらないのです。夜遅くまで、何百ページもの会議資料をコピーするためだけに残業し、訂正が入ってまた残業し…
30代にもなって何をしているんだろう、このままじゃマズイ!!と思ったのも転職を考え始めた1つのきっかけでした。
副業ができない
公務員は副業が法律で禁止されています。厳密には不動産投資や、申請して認められたものについてはできますが、どちらもハードルが高いです。
別に副業なんかせずに、本業を一生懸命やればいい、という意見もあるかと思いますが、私は転職を視野に入れて色々試してみたい、挑戦してみたいと思っていたので、クラウドソーシングに登録してみよう!と思ったものの、公務員である時点で無理だ…と思い諦めました。
副業は転職前にその仕事が自分に合っているか試したり、キャリアとして転職活動でアピールできるものとなります。何より、稼げた経験は自信につながります。
また、趣味や特技だったものがお仕事になりそうな時も、副業が禁止であるせいでチャンスを逃すことになります。ゆくゆくはそれが本業になったかもしれないのに、もったいないです。
仕事で成果を出しても報われない
基本的には年功序列で給与が決まるため、どんなに頑張って成果を出したとしても、決まった給与しか支払われません。一応、インセンティブ的な制度はありましたが、ほぼ機能してなかったです。周りからの評価は上がるため、昇進はしやすくなりますが、昇進したところで責任が増えるだけで、あまり給与は上がりません。
それよりも、何もしないヒラの退職間近な年齢の職員の方が給与が高くてびっくりしたことがあります。
子どもの年齢に応じて学費などかかりますから、年齢に応じて給与が上がるのは必要な仕組みかもしれませんが、あまりにも成果や役職に対する報酬が見合ってないため、頑張っても損なのでは?とやる気が失われます。
そのためか、昇格試験を受ける人が減ってしまい、私は係長級が足りないという理由で半ば強制的に係長へ昇格してしまいました。
(残念ながら優秀だから選ばれたわけではなく、他の人が子どもや家庭を理由に断っていただけです。)
また、残業代が出るため、非効率に仕事をしてることに気づかず、残業しまくってしまう人も多かったです。非効率でも、残業して終われば、完了したことになり、業務改善されることはなく、改善されるかどうかは担当職員次第になってしまいます。
そして、職員の中で少し困った人が数人おり、その方がいる職場で働くと、自分の仕事+その方の対応に追われることになり仕事が増えます。公務員はよほどのことがない限り懲戒免職できないのと、本人も辞めたくないという強い意志がある場合、定年退職するまでいらっしゃるため大変でした…
どこの会社でも、このようなケースはあるかと思いますが、公務員はリストラがないので、問題が定年退職まで続くのが辛いところです。
必死に勉強して試験を受けて入った職場なのに、と悲しい気持ちになりました。
公務員から民間企業に転職した知人の事例
仕事にやりがいを感じずベンチャー企業に転職
IT企業から転職してきた方で、慶応卒のかなり能力が高い方でした。20代の頃から係長級がやるような仕事もこなし、将来有望でした。(優秀すぎて、押し付けられてるようにも見えました。。)
仕事の合間には英語学習をしてTOEICも900点代。後輩ながら、私も常に刺激を受けていたので、辞めると聞いて、「やはりな・・・」と納得しました。
驚いたのは、彼の奥さんも役所で働いていたのですが、一緒に民間へ転職していったことです。彼らは、ベンチャー企業へとサクッと転職していきました。おそらく、自分のやりたい仕事はここにはないと見切りをつけたのかなと思います。
趣味を仕事にするために海外移住
厳密には正社員の方ではなく、非常勤の女性でした。非常に優秀な方で、正規職員になってほしいと皆から言われてしましたが、あくまで自分の本当にやりたいことではない、と線引きして正規職員になることはなく、契約終了後に海外移住されて夢を叶え、現地でお仕事をしているそうです。
職場が合わなくて転職
もう1人、辞めた女性は海外在住経験もある語学の堪能な女性でした。しかし、職場で英語を使う部署に異動することはありませんでした。彼女は、福祉事務所でケースワーカーとしては難なく仕事していましたが、事務処理の多い部署に異動となった後、仕事内容が合わないのと、周囲の人間関係を理由に民間企業へ転職、今では英語を使った仕事プラス副業でバリバリ稼いでいます。
このように、ポジティブな理由で辞めた人が多く、辞めたことでみんなより良い人生へとステップアップしているなと感じます。
公務員を退職するまでの具体的な手順
辞めるまでの手順について、当時を思い返しながらまとめてみました。
転職活動をする
公務員を辞めるかどうかを決断するのは、極端に言ってしまえば退職届けを出すまでなら、くつがえすことができます。まずは転職活動をしてみて考えるのも大いにアリです。行動してみないとわからないことも多いです。
もし、まだ自分が何をしたいか決まっていない場合は無料の診断アプリがオススメです。
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公務員からの民間企業への転職活動の流れは下記の記事で詳しく書いているので、よかったら参考にしてみてください。
退職届を提出する
できることなら賞与もらって辞めた方が良いでしょう。例えば、10月に退職するなら少し伸ばして12月末にするなどです。
可能であれば、年度末が一番綺麗な去り方ができますが、ぶっちゃけ辞めた後のことは関係ないので(組織とはそんなものです。どうにかなります。)自分の好きな時期に辞めましょう。また、年休が余っている人は、しっかり消化できるように逆算しましょう。
そして、退職届けの出し方を福利厚生の手引きなどで確認しましょう。周囲に聞いても大抵知らなく、噂が広まるだけなので(私は小心者すぎてギリギリまでなるべく周囲に知らせないようにしてました。。)もし人事に知り合いがいたら、そっと聞くのもよいでしょう。
私の場合は、書式は自由と手引きにあったので、「退職届 書き方」でググって自分でワードで作って署名・捺印して、課長に提出しました。
4月に新しい部署に異動し、4月の中旬に報告、5月末で退職という流れでしたので、お伝えするのは非常に気まずかったです。
しかし、意外と何も言われず事務的に受け取られ、提出後は肩の荷が降り、気分もスッキリ。
なお、提出した後の周りの反応が気になるとことかと思いますが、これからのあなたの人生に1ミリも関係なくなる人達なのですから、何か言われても気にしないように。私も仕事を引き継ぐことになったおじさんに軽く嫌味を言われましたが、きっと羨ましいんだろうな、と思ってスルーしてました。
引き継ぎ準備をする
引き継ぎは事前にきちんと準備しましょう。退職は他の部署に異動するのと違いますので、しっかり文章で残しておく必要があります。また、引き継ぐ人が決まっているのか、なども確認しておきましょう。思ったより時間のかかかる作業なので、仕事に加えて大変かもしれませんが、気持ちよく送り出してもらうためにも頑張りましょう。
周囲の人へのご報告
私は結局お世話になった方にきちんと挨拶せずに退職してしまいました。
転職先が決まってから最終出勤日まであまり日数もなく、その2日後には短期留学と予定を詰め込みすぎていたたのと、出張所で働いていたたため中々時間が取れなかったのが理由です。(言い訳ですね。。。)
最後に人事に提出物を持っていくついでに前の職場に寄って伝えるも、突然すぎてびっくりされてしまいました。
いくら辞めるとはいえ、1年目でお世話になった教育担当の方や、よくしてくれた先輩、後輩に挨拶できなかったのは今でも後悔しています。
言い出しづらくてモジモジしてるとあっという間に退職日になってしまうので、退職後の有給消化期間中に挨拶周りをする日を作るのが良いと思います。
お役所、さようなら!!
当たり前ですが、引き止められることもなく、淡々と事務的に退職手続きは進みます。財経や保険の解約など、諸々の書類を届け、最後の出勤日。ちょっとしたトラブルも、最後だと思うと感慨深くなります。余韻に浸る間も無く、忙しい部署でしたのであっという間の1日でした。
年度末の退職だと、定年退職の人と一緒にセレモニーに出て、お花を市長からもらえるのですが、私の場合は何もありませんでした。
部署内でのセレモニーもなく、朝礼で一言挨拶しただけで終わりました。
窓口が混み合う時期で忙しいのと、年度初めの職場は異動者や新入社員の受け入れでそれどころではなかったのでしょう。
12年間働いたのに、こんなものかと寂しいく感じました。やはり年度末に長くいた部署で退職したかったなー、タイミング間違えたなーと思いました。
退職金について
私は12年と少し働いて、約330万円でした。
公務員の退職金が多いと言われているのは、あくまで定年退職した場合ですので、ご覧の通りあまり期待しない方がいいです。なので、退職金をあてにしてしばらく無職で過ごそうとか、辞めてから転職先を探すのはおすすめしません!
なお、働いた年数に対して退職金は決まっており、それに役職手当が追加されていました。
どうせ辞めるんだったら、昇格試験の勉強なんかしなければよかったと思ってましたが、退職金の内訳を見たところ、主任や係長であることで退職金に上乗せされていたので、結果よかったなと思いました。
ちなみに主任試験は最短で通っていたのと、辞める直前に係長級に昇格していました。
役職に着いていた年数が長いほど上乗せされる仕組みでしたので、主任に早くなっておいたのはポイント高かったです。
なお、金額やシステムは自治体ごとに異なりますので、参考くらいに見ていただければと思います。
周囲の反応について
母からは「公務員辞めるなんてあり得ない。一体あんた、どうしちゃったの??」と猛反対されました。
私が30代半ばだったのと、母が心配性だったのでこんな反応でしたが、今では、辞めてよかったね。と言ってます。きちんと辞める理由を説明し、転職して活き活きと働いている姿を見せれば、安心してくれるはずです。
ちなみに、私は転職活動を水面化で進めて、ある程度転職先が決まってから報告しました。反対されて決心が揺らぐのが怖かったのと、転職先さえ決まれば説得しやすいと考えたからです。
友人からは、「ついに!やったじゃん」と言われ、次へのステップを応援してくれました。
公務員を辞めて民間企業に転職して思うこと
公務員を辞めて後悔はない?
後悔はないです。辞めたことで好きな場所に住み、好きな仕事ができています。
もっと早くに転職していればよかったとは後悔していますが、せめて独身の自由なうちに辞めてよかったとは思います。
特に子どもが産まれてからの転職だと時間的にも金銭的にもハードルが上がると思います。
公務員を辞めて変化したこと
辞めて一番感じた変化は、転職に対する恐怖心がなくなったことです。
人生で一番辛いのは、選択肢が少ないことだと思っています。公務員であれ民間企業であれ、今の職場から転職をするという選択肢が無いとしんどいです。
公務員を辞めるまでは、新卒で公務員の経験しかなかったため「私には転職なんてムリ。私は役所でしか働けない。」と思っていましたが、今では「何かあれば転職すればいいや。何かしら仕事見つかるでしょ!」と自分の気持ちに素直に働くことができるようになりました。
公務員から民間企業への転職はオススメできる?
私自身は公務員から民間企業に転職してよかったなと思っているのですが、全ての人にはおすすめできないなとも思います。
公務員は給料もそこそこ良く、何も考えずレールに乗っていれば給料が少しずつ上がります。公務員の仕事がそんなに嫌いでなければ、の労力に対しての給与としてはコスパが良いと思います。
民間企業に転職する場合、年収が下がることもあるでしょう。必死に転職活動をして給与を下げるなんて馬鹿みたい。と思う方にはオススメしません。
給料よりも自分のやりたいことのために転職したい、もしくは今よりバリバリ働いて稼ぎたい人にオススメです。
もちろん、自分がやりたいことを仕事に選べば、年収は上げやすいので将来的には公務員の年収を超えることはできるでしょう。
まとめ
- 公務員を辞める人は他にやりたいことがあって辞める人が多い
- 転職活動してみて考えるのもあり
- 退職の手続きは周りを気にせず事務的に進めよう
- 引き継ぎ、挨拶周りは早めにしよう
- 退職金は定年退職に比べると少ないので覚悟しておこう
- 公務員を辞めると転職に対するハードルが下がる
- 公務員を辞めるべきかは人による